赤ワインに含まれる「タンニン」って何?
赤ワインの健康効果を教えて!
この記事で得られること
①タンニンの特徴や健康効果が理解できる
②タンニン量の違いによって役立つ「ワイン用語」が分かる
キャリア15年のソムリエが解説する「ワインの飲み方の基本」が知りたい方はこちら↓
目次
タンニンとは?
タンニンは、ブドウをはじめとして植物界に広く存在する物質で、水やアルコールに溶けて渋みを与えます。
ワインを口に含んだ際、舌、口蓋全体が乾くような感触がタンニンによるものです。
一般的に、タンニンによる感触を「収れん作用」と呼びます。
タンニンは、特にブドウの種子に多く含まれるほか、果皮や果梗にも含まれています。
ちなみに、黒ブドウと白ブドウを比較すると、果皮部分のタンニンの含有量が大きく異なります。
ブドウ品種にもよりますが、黒ブドウには白ブドウの約1.5倍のタンニンが含まれています。
白ワインのタンニンの含有量
通常、白ブドウを圧搾して果汁のみを発酵させるので、種子や果皮からのタンニンの抽出は僅かしかありません。
赤ワインのタンニンの含有量
種子や果皮を果汁に浸漬する工程により、白ワインの約10倍の量のタンニンが抽出されます。
タンニンの味わいの特徴は様々で、優美でしなやかな味わいであったり、剛直な渋みで口の中が「収れん」し、やすりで削られたような感覚があったり、ビロードのような滑らかさを表現したり、と様々な表情で楽しませてくれます。
タンニンの役割と健康効果
味わいの要素としての役割のほかに、「保存材」としての作用があります。
特に、長期熟成タイプの赤ワインには欠かせないもので、ワインの熟成において酸化を防ぎます。
また、赤ワインの色素である、黒ブドウの果皮に含まれるアントシアニンもタンニンの一種です。
アントシアニンは、ワインの熟成と共に紫色から茶褐色を帯びた色合いへと変化していきます。
タンニン、アントシアニンは時間と共に、重合して澱(おり)として沈殿します。
澱(おり)とは?
瓶底にある赤黒い沈殿物が澱です。ワインに元々溶け込んでいたポリフェノール類(タンニン、アントシアニンなど)がコロイド化し、粒子が結合して大きくなって沈殿します。色が濃い赤ワインほど色素量が多いため、時間経過とともに澱の量も多くなります。上質なワインほど澱の量も多くなります。澱は無害なので飲んでも問題はありませんが、色味や質感を損なうので上澄みのワインだけを飲んだ方が良いですね。
ワインは、他のアルコール飲料に比べて「タンニン」や「フラボノイド」などのポリフェノールが豊富に含まれています。
ポリフェノールは、血小板が凝固するのを抑制し、体内の毒素である「活性酸素」の働きを抑える効果があります。
それにより、免疫力が高まり「心臓疾患、脳卒中、ガンの予防」に繋がります。
注意ポイント
1日に1杯~2杯程度のワインを嗜むことで、これらの健康効果が発揮されます。
多量に摂取した場合、逆に悪影響を及ぼす可能性が高まりますので飲みすぎは禁物ですね!
時間経過により変化するタンニンの味わい
ワインを飲んでる時に、最初は渋みが強かったのに時間経過とともに、渋みを感じなくなる時があるのはどうして?
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とても柔らかくて甘みさえ感じる赤ワインがあるのはどうしてなの?
タンニンが多く粗い状態だと、やすりで削られたような感触が強くなります。
ところが、質の良いタンニンになると渋みのバランスに優れ、粗い質感もなく非常になめらかで上質の生地のような舌触りになってきます。
このような場合のワインの表現法
◆シルクのような舌触り
◆ビロードのような舌触り
◆ベルベットのような舌触り
非常になめらかな質感の場合に、上記のような表現を用います。
「上質な赤ワイン」や「程よく熟成感のある赤ワイン」に使われることが多いですね。
バランスのとれたタンニン(渋み)に、ワインの厚み(ボディ感)が融合することで「甘み」も強調されるというわけです。
タンニンの表現方法
タンニンが多く粗い状態だと、「タンニンが豊かな」「収れん性のある」「攻撃的な渋み」「荒削りな」「ざらざらした」などの表現になります。
タンニンがワインに溶け込み、渋みが強調されていない状態だと、「口当たりの良い」「柔らかい」「きめ細かい」「シルキーな」「なめらかな」などの表現になります。
まとめ
今回は、赤ワインを構成する上で、大切な要素であるタンニンについて解説しました。
赤ワインの渋みが苦手という方は、元々タンニンが少ない品種を選んでも良いかと思います。
ちなみに、タンニンの量が豊富な品種は、カベルネ・ソーヴィニョン種、ネッビオーロ種、テンプラニーリョ種、タナ種です。
タンニン量が少ない品種の代表は、ピノノワール種、ガメイ種ですね。
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